浮遊

ギターを掻き鳴らすその身体
全身から漲る生気に
僕は恐怖すら感じた


言葉はリアルを伝える
その言葉は貫く凶器となり
無気力の者の心を抉る


屍を路上に散らす
人々はそれを踏みつけていく
やがて風とともに無に還る


自らの体から流れる
血で肉を洗う
オレノカラダハドコダ

もうすぐあの季節がやってきます

僕の居場所をあなたは知っていますか?
教えてあげることができないこのもどかしさを
どうやったら表現することができるでしょうか
吹き出る汗を袖で拭い、瞬間に吹く風に
僕のこの気持ちをのせることができたなら
これだけ陰鬱で気持ちの悪い思いをせずに済むのに


あなたが嫌がることをする人間なんて
この世界から無くなってしまえばいいと
考える詩人がこの世には腐るほどいて
それを言葉にできる人間も同じ程いる
小さじ一杯のさじ加減で味の変わる料理のように
言葉という材料で作られた詩は見違えるほどの変化を見せる


肝心の小さじ一杯を掴めないまま僕はいます
もう、夏がすぐそこまで来ているね
あなたに出会ったあの季節がやってきます
暑苦しくて、だけど恨むことのできない季節が
方向音痴のあなたの事を少しずつ鮮明になって
気づけばあの場所に僕は立っているんです
そして、また取り返しのつかない瞬間を繰り返すのです


夏が気持ちを昂ぶらせてくれるなんて
じゃあ、夏になる前の梅雨はその準備期間なんですか?
限りなく鬱に近い笑顔を僕は毎日毎日振りまいています
二度とあわないかもしれない、名前も知らない誰かのために
本当ならば笑顔でいたい相手はあなたしかいないのに…

Everything it’s my life

安直だけど充実した日々を過ごしていた
あの頃の僕は少なからず前を見ていた
明日どんな風が吹こうが関係ないと思っていた


創り出した僕は妙に積極的だった
興味を持ったなら実行あるのみ
人当たりのよい人格を作り上げていた


退屈な日々に刺激を下さいと
隣にいた女性に声を掛けた
しっかりしなさいと背中を叩かれた


外に広がる景色を眺めていた
周りに誰か見ていないか確かめた
コソコソとカメラのシャッターを押した

人間交錯

雨が空を綺麗に洗い流してくれる
灰色の淀んだ雲が一面を覆い尽くす
無色透明な青へと姿を変える


空に色は無いのだけれど
大地が空を青に染める
君が僕を一色で染めるように


人はそれぞれ真っ白な紙と絵の具で
お互いの紙に色を付け足していく
紙の上で繰り広げられる化学反応


君を僕色に染めてみたい
それは 持つべきして持った
人間として本能の上での欲望

温度調節

暑苦しくて眠れないと
誰かが呟いてた


それはきっと
恵まれてるからだよ


冷房が効きすぎて寒いと
身震いしながら訴えた
それはきっと
心が冷めてるからだよ


人との繋がりなんて
手の届くところに転がっていて
自ら望めば すぐ手に入る


けれど なんでだろう
どうしようもなく遠いなと
この頃になって思うんだ

一方的なキャッチボール

グツグツと音を立てて煮える部屋で
僕は自分の存在を薄っぺらく感じるのです


この世界の中で生きていく上で
いつ弾けて無くなってしまうのではないかと


やりたいこともろくに決めることもできず
自由ができれば眠りの世界へと逃げ込む


崩壊する世界の中で
自分の立場を決めることもできずに


思考能力の低下を理由にして
また眠りの世界へと逃げ込むのです




ブクブク・・・

ねぇ どうしてこんなに感じるんだろう
自分自身の無力さを 自分自身の弱さを


一緒に行動する人達に多くの魅力を感じ
それを共有したいと思うのだけれど
自分の求めるようにいかないよ


表面的な付き合いだけでしかなくて
内面的な付き合いをすることはできないのか


内側からストレートにぶつかれば
自然と望むものが返ってくるんじゃないの?


人との付き合い方がわからない
どうすれば 相手の本音を聞けるの?
どうすれば 自分の気持ちを伝えられるの?


誰か教えてくれないか

今も貴方を

昔大好きだった人のことを
今も僕は見守っています


彼女が喜び 笑い 哀しみ 苦しむ様子を
こんなにも近くて遠い距離で見ている


送り続けた手紙の返事が来なかったのを
彼女の性格の為だと思い聞かせていた
本当はもう 気づいていたのだけど・・・



自分の立ち位置がわからなくなってしまった


彼女との適切な距離を
僕自身の成すべき行動を
想いを向ける矛先を


気がつけばいつも
振り返ってばかりいた
ぼんやりと見える 彼女の姿を



新しい出会いや生活を
密かに応援しているつもりが
僕はただ 彼女に依存していたんだ


彼女は既にもう
僕という鎖を解き放っていた



わかっている
十分すぎるほどに


だから僕は新しい旅路を
応援したいだけなんだ


この気持ちを
どうやって伝えればいいのだろうか