個人的曖昧な思考

漆黒の闇に包まれた街の中
一人家へ向かう道を行く
顔も見知らぬ人がすれ違っていくけれど
きっと彼らとも繋がっているんだ
自分の事を知らない誰かでも
しっかりとした何かで結ばれている
それをたぐり寄せるかしないかはわからない


僕のことを忘れてしまった誰かとも
触れ合っていた日々という過去が残り
それが今もなお続いているということを
実感している人は少ないだろう
僕自身も気づかない様なものなのだから


夢の世界に身を置く人も
同じ時に誰かが君を思うことを
止めることはできはしない
彼らもまた繋がっているのだから


死してもなお人の想いは続く
薄まっていく感情を繋ぎとめる糸
断ち切る術を誰が持つというのか
神という存在が全てを司っているというならば
彼はきっと気づいていないのだろう
生命の数だけ神がいるということを


僕たちの空は一体どんな形をしてるのだろう
見えないその形を僕らは描き続ける
それぞれの思いという答えのない曖昧なヴィジョンを

捨てられたぬいぐるみを見て

なんとなく切なさを覚える

汚れてしまった哀しみと

いらなくなった悲しみ

捨てられる先には

何があるんだろう



口から吐き出された

白い煙が夜闇に溶けて

先の見えない何処かへと

少しずつ少しずつ昇っていく

汚れちまった心の中身が浄土し

耳から伝わる音楽が僕のそれを即す



チョモランマの山奥に

住み着く民族の人は

広大な空を見上げ

何を想うのだろうか



ちっぽけな僕らの

ちっぽけな日常を

日々精進するための

ちょっとした心構えを



いっそ見守られていると

不安を感じるより多く

体感できるように心がけて

今日は少し眠るとしよう